2007年08月30日

札幌市無防備平和条例(案)

札幌市無防備平和条例(案)

前文

札幌市は豊かな水を湛え中心部を流れる豊平川、緑濃き藻岩、手稲の山並みなど、自然に恵まれた美しい町です。多くの市民が「札幌は好きな町」と思い、一人ひとりが大切にされる平和な町であることを願っています。

北海道の歴史はアイヌの人々に対する侵略の歴史でもあります。アイヌの人々の権利回復は今日の北海道および札幌の課題です。また、戦前・戦中の強制連行などにより、日本に居住することを余儀なくされた在日朝鮮人・韓国人の方々も多く居住しています。北海道は幕末の開国以来、外国との交流の歴史も古く、札幌市も国際都市をめざし国際交流を推進しているので、多くの外国人も住んでいます。多民族、多文化が共生できる平和な町づくりは、すべての市民の願いです。

札幌市は1992年に「札幌市平和都市宣言」を宣言しました。ここには「戦争こそ地球環境を破壊する最大のものであり、平和にまさる市民福祉はない」、「私たち札幌市民は、日本国憲法のかかげる平和の理念に基づき、非核三原則を守ることを誓い」、「札幌市が核兵器廃絶平和都市であることを宣言します」と述べられています。

現在の日本の政治は、戦前の軍国主義時代にもどるような動きが進んでいます。教育基本法の改正により、教育に対し国家の支配を強めようとする動き、自衛隊が国民の活動を監視するという、憲兵政治を復活させるかのような動き、憲法を改正し、9条の平和主義を変えて「戦争のできる国」にしようとする動きなどです。

人間は、女も男も、子どもも大人も、民族や宗教の違う人々も、障がいのある人もない人も、一人ひとりがひとしく個人として尊重されなければなりません。すべての人が平和に生きる権利をもっています。戦争はこの権利を奪うものです。

国際社会は戦争をなくするための努力を積み重ね、戦争の違法化、戦争の予防措置、戦争犯罪の処罰、戦争被害者の救済などの国際法をつくってきました。1977年に制定されたジュネーブ条約追加議定書もその一つです。日本は2004年にこの条約を批准しました。

ジュネーブ条約第一追加議定書は、「紛争当事国が無防備宣言地域を攻撃することを禁止する」と定めています(第59条)。無防備地域宣言運動はこの条約を活用し、自治体が戦争に参加しない、協力しないことを意思表示することにより、戦争から住民を守ろうとする運動であり、ひいては、住民の力で地域から国へ、国から世界へと戦争そのものを無くしていこうとする運動です。これは日本国憲法の平和主義を住民の力で創り出す運動です。

20074月に制定された札幌市自治基本条例には、まちづくりは市民が主体であり、市民の参加によって行われると述べられています。平和な町づくりを市民の手によって行うために、この条例を制定します。

(目的)       

第1条 この条例は、日本国憲法の基本理念である平和主義を地域から実現していくために、地方自治の本旨に基づき制定するものである。第二次世界大戦後の国際社会は戦争を違法とする法体系をつくりあげてきた。国際人道法の中核をなすジュネーブ諸条約は住民の平和に生きる権利を保障するために、紛争から住民を保護するための諸規定を定めるとともに、無防備宣言地域への攻撃禁止の規定を定めている。わが国が2004年に批准した第一、第二追加議定書の諸規定を遵守することは国の責務であると同時に、住民の生命と財産を守るために自治体に課せられた責務でもある。この目的のために制定される札幌市無防備平和条例は、1992年に決議された札幌市平和都市宣言をさらに発展させるものである。

(平和的生存権の保障) 

第2条 札幌市に居住するすべての人は平和のうちに生存する権利を有する。

2 札幌市に居住するすべての人は、平時においても、戦時においても、人権の侵害、自然および文化環境の破壊を受けることがあってはならない。

(平和のまちづくり基本計画)    

第3条 この条例の目的を達成するため、札幌市平和のまちづくり計画を策定する。

2 前項の計画を策定するために、平和のまちづくり推進委員会を設置する。

3 平和のまちづくり推進委員会の委員は、市民、学識経験者からの公募などで構成する。

(市の責務)   

第4条  札幌市は戦争に関する一切の事務をおこなわない。

2 札幌市は新たな軍事施設の建設を認めない。

3 札幌市内に存在する自衛隊基地および施設については、日本国憲法の平和主義の趣旨に沿うよう、縮小、撤去に努めるものとする。

4 札幌市は軍事行動を支援する行動を行ってはならない。

(非核政策)   

第5条  札幌市は非核三原則を遵守し、市内における劣化ウラン兵器を含む核兵器の製造・配備・貯蔵および札幌市域への持ち込み・飛来・通過を拒否する。

(平和事業の推進)     

第6条 札幌市は戦争のための心の動員を行わず、戦争の防止と世界平和の実現のために、次の各号の事業を実施する。

(1) 紛争解決の手段としての戦争と武力行使を否定する平和意識の普及・広報活動

(2) 平和の確立および推進のための国内および国際交流・協力事業、とくに、他の地方自治体との交流・協力や、アジア地域の諸都市との平和友好関係の維持、推進。

(3)学校教育および生涯教育・市民教育の場での平和教育の充実、推進。

(4)平和の確立および推進のために自主的、主体的に行われる市民活動に対する支援。

(5)平和記念物の保存、展示および平和推進のための拠点となる施設の整備

(国際人道法の積極的運用)     

第7条  札幌市は、第1条の目的を達成するため国や他の自治体と連携してジュネーブ諸条約第1追加議定書第48条の軍民分離原則、同第58条に定義する「攻撃の影響に対する予防措置」及び第59条に定義する「無防備地域」の要件を満たすよう不断に努めなければならない。

2 札幌市は、戦時あるいはそのおそれが明白なとき、住民の生命と財産を守るため次の各号の要件を満たす地域で無防備地域宣言をおこない、日本国政府および関係当事国に通告する。無防備地域とは次の要件を満たす地域であり、紛争当事国からの武力攻撃が禁止される地域のことである。

1) すべての戦闘員が撤退しており並びにすべての移動可能な兵器及び軍用設備が撤去されていること。

2)固定された軍事施設の敵対的な使用が行われないこと。

3)当局又は住民により敵対行為が行われないこと。

4)軍事行動を支援する活動が行われないこと。

3 札幌市は、前項の目的を達成するため、必要に応じて国、他の自治体及び関係機関等との連携に努める。

(条例の施行細則)       

第8条 この条例の施行に必要な事項は、別途規則で定める。

附 則

(施行期日)   

1 この条例は公布の日から施行する。

(条例の送付)

2 この条例は、公布後速やかに全国の自治体、ならびに、翻訳文を付けて、国際連合、国際連合加盟国、赤十字国際委員会、ユネスコ、その他の国に送付する。

posted by 市民の会 at 01:12| ☀| 資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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